特集号 サンゴ礁科学研究ー異分野・他分野融合の拠点へーが出版されました

 月刊海洋より、喜界島サンゴ礁科学研究所およびSceNEプロジェクトにて共同研究をおこなっている多様な分野の方々からご寄稿いただいた論文が、2022年7・8・9月号として出版され、さらに新たに11編を追加収録した総特集・号外海洋64号 「サンゴ礁科学研究ー異分野・他分野融合の拠点へー」が2023年1月に出版されました。

今回の特集号では、多くの異分野の研究者、アーティスト、地域のステークホルダーに寄稿をいただき、各分野の研究成果や知見、手法を表す今後の道標となることが期待されます。

 月刊海洋では2016・2017年にも喜界島サンゴ礁科学研究所設立記念号として特集号2巻・通常号2巻の4巻が出版されましたが、そこから5年の歳月を経て、多分野異文化融合の拠点へと変貌してきた喜界島サンゴ礁科学研究所プロジェクトの8年間の発展を感じることのできる内容となりました。

 「100年後に残す」という理念に沿って、今回の特集号が100年後の未来でも評価されるのを楽しみに、また、お手元に取られた際にはぜひじっくりと読んでいただき、ぜひご感想をいただければと思います。

月刊海洋特集号 2022年7月号(通巻620号)
サンゴ礁科学研究ー多分野異文化融合の拠点へ」

(Ⅰ)-サンゴ礁文化と暮らし:考古・民俗・人類学的視点-

1)喜界島・種子島における裾礁型先史文化の様相

松原信之・石堂和博

p.307-314

2)奄美・沖縄諸島の先史人類学

高宮広土

p.314-323

3)隆起サンゴ礁台地に根ざす喜界島の人々の暮らし

照屋真澄

p.324-331

4)二つの島をつなぐもの:礼文島と喜界島

加藤博文

p.332-339

5)人類とサンゴ:オセアニアを中心に 

後藤明

p.340-346

6)琉球諸島におけるヒトの食性の変遷

蔦谷匠 米田穣

p.347-351

7)喜界島における観測降水量(1954~2021年)と古文書にみる降雨

島﨑達也

p.352-359

8)喜界島のサンゴ礁文化 -サンゴ礁と人との繋がりの視点から-

鈴木倫太郎

p.360-368

月刊海洋2022年8月号(通巻621号)
サンゴ礁科学研究ー多分野異文化融合の拠点へ(Ⅱ)

-サンゴ礁と地球環境の過去と現在,未来-1-

1)緒言 サンゴ礁科学研究-多分野異文化融合の拠点へ

渡邊 剛・山崎敦子

p.373-375

2) 東アジアの様々な古気候指標に記録された4,200年前の気候イベント

渡邉貴昭・渡邊 剛

p.376-385

3) 貝殻遺物の産地を判定する先端的な地球化学的手法

田中健太郎

p.386-395

4) 二枚貝殻の成長線解析や地球化学分析を用いた古環境研究

荘司一歩・三木志緒乃・窪田 薫・白井厚太朗

p.396-405

5) “美ら海-琉球サンゴ海-”誕生前夜の堆積物-下部更新統知念層-

松田博貴・千代延俊・山﨑 誠・佐々木圭一

p.406-416

6) トゥファを用いた古気候記録の高解像度解読

狩野彰宏・村田 彬・加藤大和・茂野 潤

p.417-422

7) 生物起源炭酸塩の先端的化学分析

奥村知世・佐野有司

p.423-429

8) 古地震調査のためのサンゴのマイクロアトールによる海面変動復元

佐竹健治・岨康輝

p.430-435

月刊海洋2022年9月号 (通巻622号)
サンゴ礁科学研究ー多分野異文化融合の拠点へ(Ⅲ)

-サンゴ礁と地球環境の過去と現在,未来-2-

1.中塚 武

温暖化が駆動する大気海洋相互作用-樹木とサンゴの年輪共同研究の重要性

2.内山遼平・渡邊 剛・Samuel.E.Kahng・山崎敦子

Coral CO2プロジェクト

-ハワイ産サンゴ骨格のSr/Ca比は水温復元の鍵となり得るか-

3.佐々木圭一

喜界島の完新世サンゴ礁段丘:2つの成因と古地形変遷

4.中村隆志・小又寛也・佐久間魁史・Oumou Kalsom Diegui BA

ハインドキャストシュミレーションによる過去のサンゴ

礁域の環境復元

5.安達 寛

サンゴの水中掘削技術の開発とその歴史

<サンゴ礁文化と暮らし : 考古・民俗・人類学的視点>

1.松岡由紀

徳之島における歴史・文化・自然の変遷

号外海洋64号(2023)
「サンゴ礁科学研究ー多分野異文化融合の拠点へ」

01)緒言 サンゴ礁科学研究-多分野異文化融合の拠点へ

渡邊 剛・山崎敦子

1章 サンゴ礁と地球環境の過去と現在,未来

02)山崎敦子・小林航・Kevin Garas・渡邊剛

喜界島完新世サンゴ礁の群集組成と炭酸塩生産量の変遷

p.10-17

03)内山遼平・渡邊 剛・Samuel.E.Kahng・山崎敦子

Coral CO2プロジェクト

-ハワイ産サンゴ骨格のSr/Ca比は水温復元の鍵となり得るか-

p.18-25

04)小山都熙・渡邊剛・野尻太郎・Samuel E. Kahng・山崎敦子

サンゴ骨格の炭素同位体比から解明する北太平洋における人為起源二酸化炭素の海洋吸収量の変動

P.26-36

05)小野寺那智・渡邊 剛・伊藤早織・竹内 走・駒越太郎・山崎敦子

喜界島塩道湾における水文学的特徴の解明ならびにハマサンゴ骨格の高解像度古環境解析から復元した1798年から2015年の月降水量変動

p.37-46

06)渡邉貴昭・渡邊 剛

東アジアの様々な古気候指標に記録された4,200年前の気候イベント

p.47-56

07)田中健太郎

貝殻遺物の産地を判定する先端的な地球化学的手法

p.57-66

08)荘司一歩・三木志緒乃・窪田 薫・白井厚太朗

二枚貝殻の成長線解析や地球化学分析を用いた古環境研究

p.67-76

09)佐々木圭一

喜界島の完新世サンゴ礁段丘:2つの成因と古地形変遷

p.77-84

10)松田博貴・千代延俊・山﨑 誠・佐々木圭一

“美ら海-琉球サンゴ海-”誕生前夜の堆積物-下部更新統知念層-

p.85-95

11)中村隆志・小又寛也・佐久間魁史・Oumou Kalsom Diegui BA

ハインドキャストシュミレーションによる過去のサンゴ礁域の環境復元

p.96-103

12)狩野彰宏・村田 彬・加藤大和・茂野 潤

トゥファを用いた古気候記録の高解像度解読

p.104-109

13)中塚 武

温暖化が駆動する大気海洋相互作用-樹木とサンゴの年輪共同研究の重要性

p.110-120

14)奥村知世・佐野有司

生物起源炭酸塩の先端的化学分析

p.121-127

15)安達 寛

サンゴの水中掘削技術の開発とその歴史

p.128-133

16)佐竹健治・岨 康輝

古地震調査のためのサンゴのマイクロアトールによる海面変動復元

p.134−139

2章 サンゴ礁文化と暮らし:考古・民俗・人類学的視点

17)石堂和博・松原信之

喜界島・種子島における裾礁型先史文化の様相

p.142-149

18)高宮広土

奄美・沖縄諸島の先史人類学

p.150-158

19)照屋真澄

隆起サンゴ礁台地に根ざす喜界島の人々の暮らし

p.159-166

20)加藤博文

二つの島をつなぐもの:礼文島と喜界島

p.167-174

21)後藤明

人類とサンゴ:オセアニアを中心に

p.175-181

22)蔦谷匠・米田穣

琉球諸島におけるヒトの食性の変遷

p.182-186

23)島﨑達也

喜界島における観測降水量(1954~2021年)と古文書にみる降雨

p.187-194

24)松岡由紀

徳之島における歴史・文化・自然の変遷

p.195-202

25)鈴木倫太郎

喜界島のサンゴ礁文化-サンゴ礁と人との繋がりの視点から-

p.203-211

3章 サンゴ礁がもたらす科学,教育,芸術への恩恵と地域への還元

26)後藤 明

アンソロポリウム:その目指すもの

p.214-218

27)西村勇哉

異分野連携におけるビジョンの役割と物語性の価値

-Collective Impact の観点から-

p.219-222

28)大杉隼平・渡邊 剛/編集:小山都煕・山崎敦子

写真×科学-過去と未来をつなぐ-

p.223-231

29)安西 耕

サンゴ疫学

p.232-235

30)内田由紀子

島という場における「開かれた協調性」と幸福感

p.236-239

31)平田オリザ・渡邊剛・後藤 明・加藤博文・山内太郎・大杉隼平/編集:山崎敦子

特別座談会:アート×サイエンスの序開

p.240-247

32)渡辺瑞帆

100年かけて劇場をつくる – 地域の対話の場

p.248-257

33)夏目淳一

喜界島サンゴ礁科学研究所がもたらしたもの

p.258-264

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